ニュースリリース

おのみち歴史博物館企画展開催中

おのみち歴史博物館では、令和5年度おのみち歴史博物館企画展「尾道銀行物語 建築100年の歴史
」展を開催中です。
おのみち歴史博物館は、大正12年(1923)に尾道銀行本店として建設され建物を活用した博物館で
、今年で建築100年を迎えます。そして、明治11年(1878)に、広島県ではじめて尾道に銀行(第六
十六国立銀行)が開設されて145年となります。
尾道銀行は本店完成の前年に尾道貯蓄銀行から改称されたもので、当時「銀行浜」と呼ばれた通り
に建設されました。この尾道貯蓄銀行は第六十六国立銀行の小口預金の部門を担うため、明治28年
(1895)に同国立銀行(現在の久保町・長谷川パーキング)に隣接されて開行した銀行です。この尾
道貯蓄銀行は、第六十六国立銀行に関わった人々によって設立されました。
第六十六国立銀行と尾道貯蓄銀行は、尾道在地の商人、天野嘉四郎、橋本吉兵衛、島居儀右衛門が
設立発起人となり設立されたものです。彼らは江戸時代の終わりころから躍進した商家で、「北前船
」の寄港地として両替や倉庫業などといった金融関連に携わっていました。
明治時代になると、国策として通貨の統一や銀行業などといった西洋式金融システムの導入を進め
ます。早急に進められた金融政策は、各地に混乱と不安を生み出しました。しかし尾道は「北前船」
の物流システムを基盤にして乗り切りました。「北前船」は一般には江戸時代の交易史として語られ
ます。一方で「北前船」は尾道のように社会の変革期の経済を支える役割にもなりました。
本展は、尾道の銀行の物語を、はじまりの前夜として近世(江戸時代)から近代(明治時代)の経
済を支えた「北前船」をとおして見てゆき、明治時代にはじまる銀行の成り行きを紹介するものです。