瀬戸内海のリアス式海岸の奥に位置する片上は延喜式に登場する古よりの要港です。江戸時代には西国街道の宿場町に指定され、本陣・脇本陣が置かれました。また、伊部で焼かれた備前焼の積出港でもあり、全国各地へと運ばれました。
また、日生諸島の沖合に位置する大多府は天然の良港であり、元禄11年(1698年)に岡山 池田藩によって開かれ、在番所・御用家・加子番所などが置かれました。潮待ち・風待ちの港として、参勤交代の御座船や大型廻船が寄港しました。この中には北前船も含まれていたと推定されます。
岡山県 備前市
岡山県 備前市の構成文化財
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大多府漁港元禄防波堤
参勤交代の御座船や大型廻船が寄港する岡山藩公儀の港・大多府港の防波堤。現存する数少ない江戸期の港湾施設
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灯籠堂の石塁
大多府港への道しるべとして明治初年頃まで利用された灯籠堂の石塁。現在の灯籠堂は昭和61年に復興
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大井戸
大多府港にある掘り抜きの井戸。諸国の廻船、御座船に飲料水として供給された
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甚九郎顕彰碑
千石船の船主として財をなしたと伝わる日生の廻船業者 田淵屋末友甚九郎の碑
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北前船の模型(備前市加子浦歴史文化館)
千石船やはしけの模型など
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片上八景(ゑびすや荒木旅館)
寛政4年頃に描かれたという片上港近辺の様子を描いた絵図。多くの船が寄港している様子が伺える