白山から流れ出す手取川の河口に位置する白山市美川は、室町時代から全国有数の港町でした。江戸時代には、加賀藩の米などを運ぶ回船業が発達し、北前船の時代に絶頂期を迎えました。藤塚神社の春季例大祭「おかえり祭り」では、北前船主が寄贈した豪華絢爛な神輿が御旅所に鎮座し、北前船で各地へ運ばれた「美川仏壇」の技法を駆使した豪華な十三基の台車が練り歩きます。また、手取川を越えると、明治時代に活躍した船主、二代目熊田源太郎の約一万四千冊に及ぶ蔵書を保存・公開している「呉竹文庫」があり、北前船主の財力を知ることができます。
石川県 白山市
白山市の構成文化財
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藤塚神社
北前船主等が信仰し、奉納物が残る神社。
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藤塚神社奉納物
北前船主等が航行の安全等を祈願、奉納した奉納額や北前船の模型等。
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御酒(ごんしゅう)
北前船主が催した宴会等でうたわれた唄。
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美川のおかえり祭り
藤塚神社の春季例大祭。御旅所には北前船主が寄進した神輿が鎮座し、北前船で各地に運ばれた美川仏壇の技法を駆使して作られた台車が練り歩く。
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美川仏壇
北前船での航海に耐えるよう錆付けと堆黒の技法が用いられた仏壇。
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ふぐの卵巣の糠漬
北前船で運ばれてきた食材をもとに加工した発酵食品。江戸時代から伝わる珍味で猛毒の「ふぐの卵巣」を無毒化する。
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(石川ルーツ交流館)北前船関係資料
北前船主集落本吉町関連古文書群と北前船関係資料。
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今湊神社
北前船主等が信仰し、奉納物が残る神社。江戸時代に遡る石造物が多くあり、石材は北前船で運ばれた。
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呉竹文庫所蔵資料
北前船主熊田家の収集資料及び北前船主集落である湊町に関連した古文書群。