能登半島の西海岸、二つの深い入り江が並ぶ福浦(ふくら)は、江戸幕府が西回り航路を開拓した時、公式寄港地と定められました。外海が嵐でも入り江は穏やかで、絶好の避難港でした。
入り江を見下ろす台地の先端は、沖の天候を見る日和山で、明治九年に建てられた現存する日本最古の旧福浦灯台や方角石、民謡「福浦出雲節」の碑などがあります。
台地に立つ金刀比羅神社内には、数多くの船絵馬が飾られています。中でも嵐の海から生還した船、立体的な船、イカやタコを描いた絵など、非常に珍しい絵柄の船絵馬が見どころです。
石川県 志賀町
志賀町の構成文化財
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旧福浦灯台
北前船が目印にした、現地に現存する木造洋式灯台として日本最古の木造灯台。
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日和山
北前船の船乗りたちが、出航前に日和を見た場所。
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方角石(石造方位盤)
北前船の船乗りたちが出航前に日和山で風向きや潮の流れを確認した方角石
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北前船関連資料群
「佐渡屋客船帳」「腰巻地蔵」「四爪錨」「極楽坂」「金刀比羅神社拝殿向拝の龍飾彫刻」など北前船関連資料が現存する。
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奉納船絵馬群
北前船の船主らが航海の安全を祈願し、奉納した船絵馬。
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めぐり(繋船孔)
北前船が係留するときに船のもやいを繋いだ岩(岩をくり抜いたもの)。
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福浦祭り
北前船の航海安全を祈った猿田彦神社の祭り。海上渡御及び仮装・手踊りは北前船で賑わった当時の名残りを強く残している。